人手不足が叫ばれる医療機関にとって、適切な人材を採用し、定着させることは常に課題となっています。セカンドラボ株式会社は、国内最大級の医療系求人メディア「コメディカルドットコム」を運営し、20,000を超える医療機関・介護施設と共に採用活動を行ってきました。本記事では、医療機関の採用がうまくいくための具体的な手法や考え方を、専門家の視点からご紹介します。人材確保に悩む医療機関にとって、参考になる情報が満載です。第1章|医療機関で採用を成功させる考え方さっそくですが、当社セカンドラボが考える「医療機関の採用を成功させる考え方」を2つにまとめます。①求職者ファーストな情報発信で「選ばれる医療機関」に②採用フローの全体を理解し、どんな手段があるかを理解する上記の内容を、それぞれくわしく紹介していきます。求職者ファーストな情報発信で「選ばれる医療機関」に採用を成功させる考え方を紹介するのに先だち、採用活動の大前提を押さえておきましょう。「医療機関が伝えたいことより、求職者が知りたいことを伝える」ことです。大前提として、求職者は複数の媒体を利用して、興味を持った医療機関のホームページをチェックします。「自院のホームページから直接応募する候補者が少ない」という相談を医療機関から受けることが多いですが、よっぽど名のある医療機関でない限り、求職者が真っ先にホームページの募集要項を見に来ることはありません。人材紹介や有料求人メディアの情報を見た後で、実際に応募するかを判断するために医療機関のホームぺージを見に行く流れが一般的です。スマートフォンを普段から触っている世代のスタッフがいる場合、実際に自院のスタッフに聞いてみるのも良いでしょう。求職者が求人情報を確認する際、求人媒体に記載されていない内容がホームページにあると、応募意欲が高まります。採用工程の全体を理解し、どんな手段があるかを理解する医療機関が採用を進める際、まずはいつまでに何人の人材を確保する必要があるのか、具体的な目標設定が不可欠です。これには退職・休職のリスクや将来的な施設拡大の計画などを考慮する必要があります。たとえ事業所の規模を拡大させる意図がなくても、自施設の退職率を把握し、採用が必要になるタイミングを予測することが大切です。さらに、採用にかかるコストを見積もることも重要です。例えば、無料の求人媒体や成果報酬型の求人広告を活用しながら、場合によっては紹介会社の利用を検討するスタンスが推奨されます。採用コストを抑える工夫をしつつ、目標達成に向けた現実的な戦略を立てましょう。採用サイトで求職者のニーズに応える「求職者は、どうして直接応募をせず、紹介会社経由で応募するの?」多くの医療機関が課題に感じていることでしょう。ひとことで言うと、「医療機関を知るための情報が足りていないから」に尽きます。言い換えると、求職者は、より多く信頼感のある情報提供をしてくれる媒体から応募する、ということです。紹介会社のエージェントから聞く内容が、ホームページの募集要項よりも具体的だからこそ、紹介会社経由の応募が多くなっています。上記のニーズを解消できる手段として、自院専用の採用専門サイト(リクルートサイト)を持つ医療機関が増えています。採用サイトの目的・効果採用サイトと公式ホームぺージの一番の違いは、想定する読者ターゲットです。多くの医療機関でホームぺージを持っていますが、ホームぺージの主な対象は患者様です。採用サイトは、求職者に向けたサイトなので、そもそもターゲットにしている読者が違います。応募を検討する求職者が知りたいのは、患者としてのクリニックではなく、働く場所としてのクリニックの姿です。求職者が転職を検討する際、「このクリニックの人間関係は良好なのか」「長く働けそうな環境か」など、さまざまな不安を抱えています。そんなとき、医療機関のリクルートページに豊富な情報が掲載されていたら、応募しやすくなるものです。また、情報を充実させるということは、医院の理念に大きく外れた求職者の応募を減らすことにも繋がります。高い手数料を払って採用したのに、短期間で離職してしまうケースを未然に防ぐことにもつながるでしょう。第2章|医療機関の基本的な採用手法医療機関の採用ご担当者様とお話ししていると、ハローワークと人材紹介の認知は高い反面、求人メディア(コメディカルドットコム、indeed)の仕組みについてご理解いただけていない方もいらっしゃいます。医療機関で使われている求人メディア(無料、有料)や、人材紹介サービスについて説明していきます。採用するための手法を理解する弊社セカンドラボでは、有料と無料の求人媒体を併用し、自院の情報を積極的に開示することが採用成功の鍵と認識しています。しかし、一度人材紹介会社に多額の手数料を支払った経験からか、無料媒体のみを使う方針の医療機関が依然として多いです。多くの医療機関は、無料の求人媒体に掲載するか、求人のほとんどを人材紹介会社に依存しています。無料媒体の具体例としては、ハローワークや日本看護協会の求人募集サイトが代表的です。無料媒体のみで人材を確保できているケースは少ないのが実情です。一方で、複数のメディアの特性を理解し、積極的に「攻め」の人材採用をおこなっている医療機関では順調な採用活動ができています。ハローワークが本来の役割をはたせていないと憤る医療機関様もいらっしゃいますが、優良求人媒体会社が多額の広告費を使っているため、GoogleやYahoo!の検索上位に表示されているのが現状です。実際に応募する求職者にとっては、ハローワークよりも紹介会社の方が画面も見やすく、色々な情報を教えてくれるので、紹介会社経由の応募が多くなってしまう構造があります。医療機関で使われている採用ツール・手法医療機関では、採用を成功させるため、無料・有料の採用ツールを併用していることが多いです。無料掲載可能なツール、有料掲載可能なツールに分けて紹介していきます。無料掲載できる採用ツールハローワーク国が提供する求人サービスで、多くの医療機関が利用しています。応募者の数は地域や条件によってばらつきがあります。無料で使えるメリットはありますが、「実際に応募が入るか」という点を考えると、採用ツールとしての有効性は高くないと言えるでしょう。ハローワークに掲載する求人情報が簡素すぎる場合、応募者の関心を引くことはできません。Indeed(インディード)インターネット上での求人検索が可能で、求職者が自主的に応募できる利点があります。複数の求人メディアの求人を横断して検索できる利便性から、「求人検索のGoogle」と呼ばれることもあります。無料版でも求人を掲載できますが、より効果を高めるためには有料プランを活用するのも一つの方法です。エンゲージスマートフォンから簡単に応募できる求人媒体で、特に若年層をターゲットにしています。求人情報を詳細に記載し、求職者にとって魅力的なコンテンツを作成することが必要です。自院ホームページの採用情報自院ホームページに求人情報を掲載する医院が増えていますが、ただハローワークに掲載している情報をコピーするだけでは効果が薄くなります。「求職者は何が知りたいだろうか?」を考えて、自院独自の情報を発信できるよう心掛けましょう。「ホームページを見て応募した方には優遇します」と記載する医院も多いですが、詳細な情報が不足していると、求職者は人材紹介会社経由で応募する傾向があります。有料掲載できる採用ツール■医療業界で実績のある求人メディア 医療機関が効率的に採用活動を行うために、医療業界に特化した求人媒体を利用するのが効果的です。コメディカルドットコム医療・福祉職種に特化した国内最大級の求人サイト。全国20,00以上の医療機関・介護施設が利用しています。とらばーゆ女性向けの求人が多く、看護師や医療事務の募集に適しています。グッピー医療従事者向けの求人サイトで、求職者からの評価も高いです。タウンワーク地域密着型の求人媒体で、地元での採用に強みを持っています。■医療業界で実績のある人材紹介サービス専門性の高い人材紹介サービスを利用すれば、採用の質を高めることができます。看護roo!看護師に特化した人材紹介サービスで、求職者に対してサポートが充実しています。ナースパワー全国展開している看護師専門の人材紹介サービス。看護のお仕事看護師を中心にした人材紹介サービスで、丁寧なフォローアップが特徴です。マイナビ看護師全国の看護師求人をカバーする信頼性の高いサービスです。第3章|医療機関の採用における工程医療介護業界は常に人手不足に直面しており、日々の業務をこなしつつも採用活動を怠ることはできません。多くの事業所が、退職や欠員補充を繰り返しながらも、効率的な採用方法を模索しています。ここでは、安定した採用と人材定着を実現するために、採用戦略の全体像を理解し、自社に合ったアプローチを見つけることが重要であることを説明します。採用プロセスの全体像セカンドラボでは、採用戦略を立てる際に、入職者数を頂点に置き、その過程を分解して理解することを推奨しています。具体的には、「入職人数」をゴールとし、その前段階として「内定受諾率」や「面接通過率」といった具合で分解していきます。例えば、以下のように採用のプロセスを分解することで、どの段階に課題があるかを特定できます。入職者数(目標)= 面接通過率 × 面接数面接数=応募率×応募数応募数 = 応募率 × 閲覧数事業所がどのプロセスに注力するべきかを理解することで、効率的な採用活動が可能になります。項目が多いですが、「入職人数」「応募数」の項目に絞って、改善策を見ていきます。必要な採用人数を決める(目標設定)医療機関が採用を進める際、まずはいつまでに何人の人材を確保する必要があるのか、具体的な目標設定が不可欠です。これには退職・休職のリスクや将来的な施設拡大の計画などを考慮する必要があります。たとえ事業所の規模を拡大させる意図がなくても、自施設の退職率を把握し、採用が必要になるタイミングを予測することが大切です。さらに、採用にかかるコストを見積もることも重要です。例えば、無料の求人媒体や成果報酬型の求人広告を活用しながら、場合によっては紹介会社の利用を検討するスタンスが推奨されます。採用コストを抑える工夫をしつつ、目標達成に向けた現実的な戦略を立てましょう。応募数を増やすための施策応募数を増やすためには、「応募率」と「閲覧数」に分解して考えることができます。応募率は「応募しやすさ」と「応募後押し」に影響され、閲覧数は「クリック率」と「発信媒体数」に左右されます。つまり、採用活動を効率化するためには、「応募しやすさ」を高め、「発信媒体数」を増やすことが重要です。例えば、求人情報を掲載する際には、応募者にとってわかりやすく、魅力的な内容を提供することが重要です。また、発信媒体数を増やすことで、求人情報がより多くの人に届きやすくなります。ただし、無断で求人を掲載する業者に対しては注意が必要です。信頼できる媒体を選定し、適切な方法で情報を発信することで、トラブルを避けることができます。医療機関の採用サイト作成ならセカンドラボへセカンドラボは、クリニック・病院様向けに採用専用サイト(リクルートサイト)制作事業、ホームぺージリニューアル事業を行っています。国内最大級の求人メディア運営実績を活かしたサイト制作で、求職者からの応募数増加を実現いたします。セカンドラボの採用サイト制作のメリット・納得のコスパと高クオリティ(初期費用30万円~)・採用、医院運営に関する幅広い情報提供(求人市況、代行サービスの情報提供など)「紹介会社に支払う手数料の負担が大きい」「求職者から直接応募が来ない」などお悩みの方は、ぜひセカンドラボにご相談ください。まとめ:採用の工程を理解し、求職者ファーストの情報発信を今後、医療業界における人手不足が解消される見込みは少ないのが現実です。少ない人手を各医院が奪い合う構図を受け入れ、自院の情報を求職者に対してどんどん公表することで、求職者から「選ばれる」クリニック・病院となることができます。この記事では、無料媒体と有料媒体の違いを理解した上で、両者を併用することを提案しました。長期的に、ホームぺージ経由での直接応募を増やすためには、自院専用の採用サイト(リクルートサイト)をつくることも効果的です。セカンドラボでは格安で採用サイト制作に対応可能です。本記事を参考に、医療機関が自院の採用戦略を見直し、適切な手法を導入するきっかけにしていただければ幸いです。