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病院が直接応募を集めるためにできること

更新日:

2026/7/29

投稿者:

横山 洋介

「年間数千万円規模の紹介手数料をなんとか減らしたい」

「でも、自院のホームページからは全然応募が来ない」

――日々の商談のなかで、多くの病院・クリニックの院長様や採用担当者様からこうした切実なお悩みを伺います。

お客様にお伝えすると拍子抜けされてしまうこともありますが、直接応募を劇的に増やす魔法の手法はありません。採用に成功している組織ほど、地道な施策を丁寧に回しているのが現実です。

看護師1人を紹介エージェント経由で採用すると約100万円の手数料がかかります。もし自社サイトの整備(数十万円の投資)で年間数名の直接応募が増えれば、初期費用を回収できるのはもちろん、年間数百万円のコスト削減に直結します。

ここでは、弊社が数々の医療機関様を支援してきた実績とデータに基づき、直接応募を集めるために今日から実践できるノウハウをご紹介します。記事内で紹介している手法は、自院ホームぺージ内の「採用・求人募集」ページ内で行っていただくことを想定しています。


※弊社は、看護師、介護職等の専門職や医療事務などの直接応募を集めた経験・ノウハウはありますが、医師の応募を集めた実績はございません。お客様から要望をいただくケースも多いですが、弊社として自信をもってお答えできる回答を持ち合わせていないのが正直なところです。

ただ、「情報を整備して求職者をひきつける」という基本スタンスは、医師であろうとも有効な情報開示の方法と考えております。


1. 求職者がエージェントに頼る理由と、情報開示の重要性

なぜ求職者は自社サイトではなく紹介会社を使うのか、を一度立ち止まって考えてみましょう。

これは、採用担当者のみなさんが意外と認識されていない点だと思います。弊社としては、「病院(医療機関)のホームページの情報量が少なく、求職者が不安を感じるから」と、理解しています。

もしご自身が転職するとして、ハローワークの募集要項と同じ情報量しか書かれていない事業所への応募を検討するか、とお考えいただければ、おのずと答えは出ると思います。

情報が不足しているからこそ、情報を知っていそうな(実際は、HPやハローワーク以上のことはほとんど何も知らないケースがほとんど)人材紹介エージェントに相談して安心を得たいという心理が働きます。

2.競合と比較した「自院のPRポイント」の再定義

ホームページのデザインや動線を整えることはもちろん重要ですが、そもそも掲載している「求人情報そのもの」の魅力が伝わらなければ、直接応募には繋がりません。踏み込んでいうと、求職者がポータルサイト(コメディカルドットコム、indeedなど)で比較する際に、条件面や求人内容で検討の土台に乗らなければ、自院の採用ページを充実させても効果は薄いといえます。

求職者は必ず「近隣の競合病院(医院)」と条件を見比べています。給与、休日数、夜勤の有無など、まずは自院の条件が地域の相場から大きく外れていないか、比較してみることが第一歩です。

具体的には、コメディカルドットコムやジョブメドレー等の求人サイトで、「杉並区の看護師求人一覧」のような絞込ページで、他事業所の情報を見てみるのがカンタンです。

※コメディカルドットコム上で「仙台市×看護師」絞

競合条件をすべて上回る必要はない

ここで重要なのは「競合のすべての条件を上回る必要はない」ということです。資金力で勝負し、地域で一番高い給与水準を設定し続けるのは現実的ではありません。大規模法人が高い給与で人材を引き付けるやり方を、他の事業所が真似できないことは明らかです。

給与で一番になれなくても、「残業が少なく定時で上がりやすい」「有休消化率が90%以上ある」「子育て世代への院内サポートが手厚い」など、自院ならではの働きやすさがあるはずです。

ベースアップの実績や独自の福利厚生といったプラス要素は、積極的に開示しましょう。 「うちの病院の最大のウリはこれだ」というPRポイントを意識的に打ち出し、それを採用サイト上で分かりやすく表現することで、初めて「ここで働きたい」と求職者の心を動かすことができます。

※「ウチには近隣と比較して目立つ点がない」と仰るご担当者様もいらっしゃいます。そんな事業所様には、弊社が近隣調査とヒアリングを行ってPRポイントを洗い出すサポートをさせていただきます。

3. 他社サイトへの流出を防ぐ!「自院名での検索結果」の最適化

まずは、求職者さんが自院名を検索した際に、1番に表示されるかを確認しましょう。

「自院の名前+求人」で確実に検索1位を取り、広告費ゼロでの採用基盤を作ることが大前提です。その上で、以下の無料ツールを活用します。

  • Googleしごと検索(Google for Jobs): 求人ページに構造化マークアップを施し、検索結果の求人枠に表示させます。他の求人サイトへ流出する求職者を自社サイトへ誘導する強力な施策です。

  • Googleビジネスプロフィール(Googleマップ): スマホ検索の約25%がマップを閲覧します。「通いやすさ」を気にする求職者に向け、第一印象となる清潔感のある写真を設定します。

何より重要なのが「情報の鮮度」です。弊社がご支援させていただいた福岡県の病院様では、担当者様が求人情報やお知らせをこまめに更新・周知した結果、公開後2ヶ月で15名(1年半で40名以上)の直接応募を実現しました。

※Googleしごと検索の表示画面

福岡県の病院事例は、「【実録】手数料0円で2ヶ月15名応募獲得を実現した記録」で紹介しています。合わせてご覧ください。

今後普及していくAI検索(AIO)を見据えても、常に最新で正確な情報を発信し続けることの重要性はさらに高まっています。

4. 応募のハードルを下げる「迷わせない」ページ作り

採用ページ、採用専門サイトを新しくつくるだけで、求職者からの応募が入ることは、まずありません。

求職者は、①「求人ポータルサイトで求人を比較」して、②「条件面などで気になった病院のホームぺージを訪れ」て、実際に応募しようかどうか判断しています。そのため、採用サイトやホームページを整備するだけでは不十分で、各種求人サイトを「うまく使う」目線も重要です。

  • 職種ごとにページを分ける: 医師、看護師、薬剤師など、求職者が自分の探している情報にすぐたどり着けるよう、情報を混在させず職種ごとにページを分けます。

  • 問い合わせフォームの最適配置: 各職種の募集要項のすぐ下にフォームを設置し、応募先を探して迷わせる離脱を防ぎます。

※各ページ下部に、採用エントリーへの導線を整備。「応募する」だけでなく、「職場見学する」のステップを設けることも有効

弊社の支援事例では、鹿児島県の法人様の例が参考になります。この法人様は、HPの全面リニューアルはせず、産婦人科クリニック、病院など各事業所毎に求人内容を整理して掲載できるよう、サイトを整備しました。

ご担当者様がStudioの操作に習熟いただいた甲斐もあり、サイト公開後3か月で、直接応募6件を獲得できています。「自分が求める求人にすぐたどり着ける」ことの大切さを感じていただけると思います。

5. 「入職支援金」や「優先選考」など、直接応募ならではのメリットを提示する

「直接応募やハローワーク経由の応募を優先的に選考する」とサイト上に明記することも、求職者に自社サイトからの応募を選ばせる有効な後押しとなります。

埼玉県の循環器内科クリニック様の事例では、直接応募で入職された方を対象とした「入職支援金」の支給を明記するなど各種施策に取り組んで頂いた結果、サイト公開後半年で18名の直接応募を獲得しました。

なお、職業紹介事業者(転職サイト、人材紹介会社)が「お祝い金」などの名目で求職者に金銭等を提供して求職の申し込みを誘導する手法は、2021年4月に禁止されています。病院が自社の求人を集めるにあたって、自社サイトでお祝い金の記載をすることは引き続き可能です。

参考:厚生労働省|「就職お祝い金」などの名目で求職者に金銭等を提供して求職の申し込みの勧奨を行うことを禁止しました

6.まとめ:採用コストを大幅に削減する自社サイト実現のために

こうした地道な施策をしっかりと回すことができれば、高額な人材紹介や求人サイトは、自社サイトへ求職者を誘導するための「無料の入り口」として機能し始めます。

ただ、こうした「情報設計」や「ツール設定」「日々の更新」を院内だけで完結させるのは、ご担当者様への負担が大きいのも事実です。

 私たち「クリニック・病院ホームページ制作ラボ」では、ノーコードツール「Studio」を導入し、担当者様ご自身で簡単にお知らせや求人を更新できる仕組みを構築します。「〇〇病院 求人」での1位表示などはもちろん、採用成功に向けたインフラ整備をトータルでご支援します。

「なぜ自院のHPには応募が来ないのか?」 その原因を、医療採用のプロが無料で診断いたします。無理な売り込みはいたしませんので、まずは現状の課題整理としてお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

横山 洋介

2020年セカンドラボ入社。Webメディアのグロース支援が得意。医療福祉製品比較サイトやウェブサイト運営で培ったノウハウで、医療福祉事業所の集患・採用課題の解決をサポートしています。